人にやさしく…スタジオこまちの理念

concept

今回は大人や子供の初心者に優しい社交ダンス教室『スタジオこまち』を立ち上げた想いについて書いてみたいと思います。

引きこもりから始まった社交ダンスとの出会い

私がダンスを始めたのは24歳のときでした。

それまでは会社に勤めていたのですが、ある出来事をきっかけに恥ずかしながら家に引きこもるようになりました。

そんな私を見かねた父が社交ダンスを勧めてくれました。

その時私は「ここで何もしなければ自分がダメになる」と社交ダンスの道に飛び込むことになりました。

が、しかし…

世間の風は冷たかった

とはいえ私はそれまでの人生で、ほぼまともな運動などしたことはありませんでした。

加えて引きこもり生活で体は鉛のように重く、スポーツマン体形とはほど遠いものでした。

このような状態で突然上手に踊れるはずもありません。

参加した団体レッスンクラスでは、他の皆さんの足を引っ張りまくりでした。

生徒さんには白い目で見られることになりました。

もしかしたらそれほどでもなかったかもしれませんが、当時の私にはそう見えてしまったのです。

先生は大変熱心に教えてくださったのですが、そうなると私にかかりっきりになります。

結果時間を取られてしまい、レッスン全体の進みが遅くなる、ますます生徒さんが…という悪循環です。

教える側に立ってみると、ここを乗り越えれば大丈夫、一緒に頑張ってほしいと思うのですが

当時の私には先生がそのようにお考えくださっているとはとても思えませんでした。

先生はともかく、いつも他の生徒さんに申し訳ない、申し訳ないと思いながらレッスンを受けていました。

何度もうやめようかと思ったことか…

努力をするにも基礎が必要

「そんなにできないのなら家で予習復習などすればいい」

「努力が足りない」

と言われるかもしれません。

どの分野においても成功する考え方・イメージが存在していて、物事を完成させる道筋というのは大まかには応用を利かせて対応することができるかもしれません。

ところが当時の私にはそのようなことを考える余裕もありませんでした。

別にプライベートが忙しいとかそういうわけではないのです。

自宅には父親の社交ダンス関連の書籍やビデオなどがありましたので、それを目にする機会もありました。

けれどもそういった情報が自分の体の動きやイメージと一致しないのです。

はっきり言うとそれは当たり前のことで、全くと言っていいほど運動していない人は筋肉を動かすという動作に対しての感覚が鈍いのです!

ヨガやストレッチの動画の真似ようとしても、体が硬くてその通りのポーズがとれないのに似ています。

頭を使うことは何でもできても体を使うとからっきし、というのは大概これが原因です。

そして、筋肉に限らず慣れていないことをするときはその努力の方向性がよくわからないものです。

ということで当時の私がどうしたかというと、個人レッスンを受けることにしたのですが…。

目的のないレッスンは効果が半減

さて、他の生徒さんに迷惑をかけないように個人レッスンを受けることにしたのはよいのですが「何をする?」と先生に問われて困ってしまいました。

そもそもどんなことを習えばいいのかわからないのです。

レッスンの区切りや締めに生徒さんに

『何かご質問などございませんか?』

とお訊ねするのですがかなりの確率で返ってくる答えが

『聞きたいことがわからない』

というものです。

当時の私がまさにこれでした。

せっかく個人レッスンを受けても教えてほしいことを具体的に先生に伝えることができなかったのです。

取り合えず先日習った出来の悪かった団体レッスンの内容をお願いしたのですが、その団体レッスンの内容が初心者にはかなり難しいものでした。

その結果あまり効果的なレッスンができなかったのです。

そのころ私は自分の都合のよい日時の教室に何件か通っていたのですが、どの教室も(運が悪かったのかもしれませんが)内容には大差ありませんでした。

初心者のうちが肝心

始めたばかりのころに十分な基礎がないと、よくいう初級レッスンに入ったとしてもついていくのが大変な場合がままあります。

何事も最初が肝心で、この時期に変な癖がつくと修正が非常に大変です。

悪いことに踊っている本人は他人の指摘がなければなかなかその悪い癖に気づくことができないのです。

私のように踊れない部分だけをどうにかするようなレッスンの方法だと基礎の部分がなかなか身につかず、後でしなくてもいい苦労をするはめになるのです。

私の場合だと、ラテン種目で腰が抜けて軸が立たなかったり、スタンダード種目でホールドがしっかりしないという弱点がなかなか治りませんでした。

経験を活かして

このような経験から、私はレッスンを行う際に必ず心がけていることがあります。

  • 必要な基礎とステップをわかりやすく提示し、順序立ててレッスンを行うこと
  • 体調、運動・ダンスの経験の有無等をしっかりと考慮に入れ、その方に最適なプログラムを作成すること
  • 生徒さんのペースに合わせること

こういった想いから、スタジオこまちの大人の初心者向け『ビギナークラス』は、細やかな指導の行き届く少人数制で、生徒さんご自身がレッスン内容を整理し、復習できるように25分という少し短めに設定しております。

最後に

こののち私はしばらくの間教室をやめることなく、団体レッスンの生徒さんにご迷惑をかけ続けました。

結果的に厚かましくも社交ダンスを継続し現在に至るのですが、自分でもよく耐えて続けたと感心します。

そんなこともあり、

もし自分よりできない人が団体レッスンに入ってきたら優しく迎えてあげよう

と強く思ったのでした。

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Profiel

社交ダンスインストラクター:川瀬一史

KAZUFUMI KAWASE

大人になってから社交ダンスを始め、2008年に社交ダンスインストラクターの資格を取得。現在は社交ダンスインストラクター、健康運動実践指導者として社交ダンスを通じた健康な体づくりを指導しています。

■ JBDFプロダンスインストラクター
■ JDSF-PD 公認講師
■ JDSFジュニア指導員
■ JSPO公認スポーツ指導者
■ 健康運動実践指導者

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