社交ダンスにおける初心者に効果的な練習法①〜姿勢〜

20211230

たまに生徒さんから聞かれる話題のひとつに、

「どうやったら社交ダンスが上達しますか?」

という質問があります。

これは非常に難しい質問です。

まずは「あなたはどこを目指しているのか」ということを逆に聞き返さないと正確な答えを出せません。

世の中はなんでもそうですが、望んでいるもの以外のものを与えられても喜びを感じられないものです。

ダンスの上達の終着点がずれていれば、たとえダンスが上達したとしても本人が満足できない可能性が高いのです。

その中でも残念なのは「上達したと思っていたら周囲から冷ややかな目で見られていた」というものです。

本人が気づかない分たちが悪いのですが、こんなことにならないようしっかり考えて練習の計画を立てましょう。

今回は『ダンスパーティーで上手に踊りたい!』という人向けに流れのよい道筋と練習方法を解説していきます。

Lesson1 正しい姿勢を知る

まずは立ってみる

社交ダンスと言えばまずは美しい姿勢から、です。

社交ダンスはそもそも『自立した男性と女性が男性のリードに合わせて女性のフォローを受けて踊る』ものです。

まずは自立することを目指しましょう。

ここで言う自立は、自分が気を付けの姿勢でバランスを崩さないように立つことを意味しています。

これが難しい方はちょっと特殊に頑張る必要があるかもしれませんが、おそらくは皆さん普通に気を付けの姿勢で立っていられるのではないかと思います。

まずはこの気を付けの姿勢を基本に据えましょう。

さて、気を付けの姿勢と言いましたが皆さんの気を付けの姿勢は人によって千差万別であることと思います。

ですので明確な基準として、『地面に対して垂直に立つ』を挙げたいと思います。

床は平らであると考えて、90度。

直立ですね。

少し難しい話をすると、床に立った時に人間の体は床面に体重をかけていますが、このとき足を通じて床にできるだけ真っすぐな力をかけたいのです。

何かを押すことを想像してみてください。

真っすぐに押しているときが一番力がかかります。

真っすぐから角度がつけばつくほど、床面に力はかかりにくくなります。

そうした方向に力がかかったとき、摩擦が足りずに床に力がかからなくなると、今まで床面にかかっていた力は勢いよく別の方向にかかります。

これが滑るという現象です。

ということで、立ち上がって足の裏に感じる感触に注意を向けてみてください。

頭の先から足の裏に至るまで、自分の体重が足の裏に真っすぐにかかっているイメージを持ってみましょう。

素直に真っすぐになりましたか?

注意:実際問題として、女性は男性と組むときに審美的に、また回転をしやすくするためにヘッドを少し後ろにもっていき、見た目的には反って立っているように見えるかと思います。このことについてはまた別に解説します。

身体のブロックを積み上げる

先程の作業がうまくいった方もそうでない方も、さらなる発展のために次の段階へ進みましょう。

ひとことで言うならばいい姿勢を作りましょうとなるわけですが、これにも基準が必要ですよね。

人間の体を上から見ていくと、頭、胸、腹、足と大まかに名称がついています。

もっと細かいことを言うと、頭と胸の間には首や肩なんかがあり、胸と腹のあたりに腰があり、足も太ももとすね、足元と区別できます。

これからの作業は、これらのパーツをブロックに見立てて床面からなるべく高く、真っすぐに積み上げていくことです。

では気合いを入れて真っすぐに立ってみてください。

しっかりブロックが下から積みあがっていますか?

ブロックをつなぐ関節や骨のひとつひとつを上に向かって伸ばすようにしましょう。

姿勢の悪い人はこの体のブロックが真っすぐに積みあがらず前後にずれたような形になっています。

また、見た目真っすぐに積みあがっていても体の引き上げ感がなければ良くは見えませんので、自分の体を余すことなく上下に引き延ばすように心がけてくださいね。

真っ直ぐの姿勢の状態を維持する

さて、いい姿勢が出来上がったらこの状態を踊っている間維持していきましょう。

せっかく頑張って形を作っても維持できなければ残念感が漂ってしまいます。

姿勢を保ったまま動いてみる

姿勢を保ったまま前と後ろに何歩か歩いてみてください。

歩き方はとりあえず適当で構いませんが、極力頭の高さが変わらないように高さを保ったまま歩いてみましょう。

次に、膝と股関節を曲げてその場で真っすぐ下がってみましょう。

深くしゃがみ込む必要はありません。

軽い屈伸程度で大丈夫です。

この屈伸をするときも体全体は床面に対して垂直の状態を保ちましょう。

足首を柔らかく、膝と股関節を同じだけ使って動くようにしましょう。

腕を使って真っすぐ押す感覚をつかむ

ここでちょっとイメージをかえて、腕を伸ばして手のひら全体に力がかかるように真っすぐに壁を押してみてください。

両手でも片手でも、前向きでも横向きでも結構です。

壁に真っすぐに力がかかっていればOKです。

少し強めの圧がかかっている方が感覚を得やすいかもしれません。

この手のひらの感覚のまま、少しずつ肘や脇を曲げてみましょう。

手のひらは同じ力で壁を押しっぱなしにしながら曲げていってください。

できましたか?

少し注意していれば途中の関節を曲げていても手のひらにかかる力が真っすぐにかけられるはずです。

腕を曲げたときに手のひらの力がどこかへ行ってしまった方は、手のひらの感覚を優先してゆっくりと体を動かしてみてください。

このように真っすぐに手のひらに力をかけながら肘や脇を曲げていく感覚が、脚部にも当てはまるということです。

膝や股関節を曲げたとき、床面を真っすぐにとらえられるか試してみましょう。

あまり意識に入らないかもしれませんが、力を真っすぐに伝えるためには腕や足などの末端以上に体幹の筋肉が必要になります。

体幹部分がある程度固定されていないと力が余計な方向に分散するからです。

腕なら真っすぐ押せたのに足だと難しい方は、腰のあたりが安定せずに歪んでいることが多いので気を付けてみてください。

維持のコツは前方向(腹)と後方向(背)の両方から圧をかけることです。

姿見や洗面所など、大きめの鏡があるところで自分の姿を確認してみましょう。

動かすと維持は難しくなる

やはりといえば当たり前なのですが、体を動かそうとするといろいろな方向へ意識が向いてしまいます。

床面を真っすぐに押すということだけ集中することが難しくなるわけです。

なので良い姿勢を維持する体の緊張感に慣れることが大事になります。

良い姿勢が意識せずに作れるようになると、他のことに意識を向けやすくなります。

これを繰り返していろいろなことを無意識にできるように反復して練習しましょう。

そういえば昔から姿勢を良くするために本を頭の上に乗せて歩くようなトレーニング方法がありますが m、・、姿勢はともかく頭は丸いからよほど四角い頭の人でないと本が落っこちるのでは…。

『社交ダンスにおける初心者に効果的な練習法〜姿勢〜』のまとめ

ということで良い姿勢を作るためのイメージや考え方を書いてみました。

姿勢を作る順番に簡単にまとめると

1 体のブロックを真っすぐに積み上げる
2 ブロック各所をできる限り上下に引き延ばす
3 真っすぐに床面を押せているか確認する
4 姿勢を保ったまま地面と平行に移動する

実際にははじめの段階では真っすぐの感覚が自分の中でとらえにくいかと思いますので、ちゃんとレッスン受けて先生に姿勢をチェックしてもらうのがおすすめです!

では、皆様良きダンスライフを!

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Profiel

社交ダンスインストラクター:川瀬一史

KAZUFUMI KAWASE

大人になってから社交ダンスを始め、2008年に社交ダンスインストラクターの資格を取得。現在は社交ダンスインストラクター、健康運動実践指導者として社交ダンスを通じた健康な体づくりを指導しています。

■ JBDFプロダンスインストラクター
■ JDSF-PD 公認講師
■ JDSFジュニア指導員
■ JSPO公認スポーツ指導者
■ 健康運動実践指導者

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